dirtypoetix’s diary

ダーティー・ポエティクスの、ダーティーなポエティクス

マイルス・セロニアス・トレインはそんなにうまくなかったかもしれない

タカです。最近ジャズにはまっていて、ここ20枚くらいはずっとジャズを聴いてる気がします。

ジャズは100年以上の歴史があって、僕たちの今やっている、そして現代の音楽文化の重要な一部を形成している、R&BやHip Hopも、元を辿ればジャズとは無関係ではいられないと思います。

昔のジャズはこんな感じで、酒場で騒いだり踊ったりできるものでした。

だんだんそれに飽き足らないプレイヤーたちが、仕事を終えたあと、自由にセッションをするようになって、音階やハーモニーがより複雑化していき、今みんなが「ジャズと言ったらこんな感じ」とイメージする、モダンジャズになりました。

これはモダンジャズの創成期から活躍した「セロニアス・モンク」というピアニスト・作曲家の “Japanese Folk Song” です。「荒城の月」を彼の解釈で演奏しています。

聴いていただくとわかるとおり、おぼつかないリズムと、不思議なハーモニー。強烈な個性と、彼の奇抜な行動もあって、最初は仕事がほとんど与えられなかったようです。

その後徐々に周りのミュージシャンから、その作曲の才能を認められて演奏されるようになったり、自らの演奏機会も飛躍的に増えていったりして、評価はどんどん上がり、現代ではモダンジャズの歴史上最も重要な人物の一人に数えられています。

これは昔僕が一番尊敬していた Brian McKnight というR&Bアーティストの “Let Me Love You” という曲です。仮定で「本当は太陽が地球の周りを回ってるのかもね」などたくさんラップ調で歌って、最終的に「僕たちは恋人同士がすることをしたほうがいいのかもね」と持ってく歌詞です(R&Bによくあるパターン、なんだかんだエロに持ってく)。

その仮定のひとつに、こういうフレーズがあります。

「マイルスやセロニアスやトレインは、そんなにうまくなかったかもしれないね」

マイルスはマイルス・デイヴィスのこと、トレインはジョン・コルトレーンのこと。いずれもモダンジャズ以降の歴史を作った大人物です。ここで「そんなにうまくなかったかも」というのは半分冗談で、半分本音だと思います。

きっと3人とも、その技術以上に、「なにか」があったんだと思います。(僕はBrianにもその「なにか」を探求して欲しかったのですが、いつまで経ってもラブ・バラードを歌ってるので最近は追いかけていません)

一番上の「セロニアス・モンクのいた風景」は村上春樹がセロニアスに関するいろんな文章を翻訳してまとめたもので、彼の人となりや葛藤、音楽に関する観点や捉え方、哲学が垣間見えて、とても面白いです。

さて。

今週の土曜、ライブです。久しぶりにA-jaと共演。僕たちには「なにか」が出せるんでしょうか。見つけに来てください。

Taka a.k.a. Poetix